カミーユ・フォルネのオーダーストラップ

カサブランカ用に発注していた寸短のカーフ焦茶ストラップが出来上がってきた。
純正ストラップと同じようにしたつもりが、やはり同じにはならなかった。まず全体の厚さを揃えたはいいが堅さが異なる。表革の質感はサンプルで確認済していたので問題ないものの、中の詰め物の堅さ、もしくは裏革の質感が純正とは大きく違ったようだ。ステッチもよりしっかりとしている。剣先形状が丸みを帯びることが気になっていたのだが、それ以上に全体の見た目や手にした感覚が重厚になってしまっていた。
色はこれもサンプル通りなのだろうが、実際に時計に着けてみた時には思ったよりも黒に近く、遠目には区別できないかも知れない。焦茶というよりチョコレート色といったらよいか、以前所有していたパネライの茶色文字盤の色とほとんど同じといったらわかる人にはわかるだろうか。
さて色々書いてきて、失敗だったかというとそうでもない。チノパンに茶色のデザートブーツやコートといった服装に合わせてみて、その馴染みの良さに予想以上に満足している。その日に履く靴の色に合わせて時計のストラップをすぐさま交換するという作業も、アビエ式バネ棒によって快適そのものである。
現在は仕上げを行った時計本体とあいまって、まるで新品のようなパリッとした状態であるが、少し使い込んで革の表面の質感に味が出てきて全体にややくたっとし出した辺りの景色を想像すると今から嬉しくなってしまう。