Summer Time Bonanza

横浜みなとみらい・新港埠頭で行われた音楽祭に行った。

多くの出演者の中では、中島美嘉が面白かった。
テクニックは相変わらずで、音程が安定しなかったり、抑揚のつけ方などが十分コントロールができずだらしなかったりと、気になるところが色々とあったけれども、とにかく唄の世界観をしっかりと伝える力がある。
特徴的な息継ぎの音も含めて儚さ、脆さ、憂い、そして秘めた強さといったものがよく表現される。真夏の野外コンサートにお構いなく代表曲「雪の華」を歌ったが、広い会場が歌の持つ情感にすっかり覆い尽くされた気がした。

押尾コータローはディスクでも聴けるギターを叩いて出すベースのような低い音(専門用語で何というのだろう)を多用していたが、PAの音が耳障りで不愉快だった。低音がゆるく肥大してしまう。PAなしのライブ、もしくはしっかりと管理された増幅システムでのライブを聴いてみたい。聴取者が耳にする音まで責任を持つのが現代の演奏者の努めだと思う。