IPT1000An

縁あって評価の高いダウントランス IPT1000An を借りることができた。
まずはトランポとDACをつなぐ。
静かで音楽がすうっと体に染み込むような気がする。情報量が減ったようには聴こえないので、今まで随分と余計なノイズを聞いていたということなのだろう。更に低域がカチッと締まるのも印象的。こちらも何か欠落があるのではなく、低い方まで十分に伸びている。
気になるのは静かになっただけでなく、音量自体も明らかに下がっていることだ。そのためかノリや勢いといった要素が後退する。
次にトランポとDACに加えて DG-48 もつないだ。
ふっくらと音量が上がり、音場が広く見通しが良い。低域が心持ち盛り上がるが、最低域方向はロールオフ気味。ノイズの少なさは相変わらずでそれによって楽音が鮮やかになる。
ケーブル長の関係でパワーアンプはそれのみをつないで試聴。傾向は同じで、特に声のニュアンスがくっきりとわかりやすくなる。一方でやはり音量は減り、清濁取り混ぜて出ていた音が全体に整理されるような感じ。面でグイグイと押してくるような部分は特に減退する。
総じてノイズの除去には明らかな効果が認められるものの失うものもあるようだ。現時点でパワーアンプ並の大きな物体をシステムに加えることや高価格を圧してまで必要かといえば難しい。他にやるべきことをやって煮詰まったらぜひもう一度検討したい。