スピーカーの振り角

スピーカーの振り角を調整した。引っ越してすぐに軽く試して以来、聴取位置にスピーカーが正対する角度にしていた。
以前、他のスピーカーを使っていた時には、正対よりも内振りで聴いていたこともあり、いつか試そうと思っていたところ、オーディオ仲間からの提案があり調整した。
初めに思い切り内振りにした後、いくつか振り角を変えて聴いてみる。弦楽四重奏では左右位置が精確に描写される。前後表現も色濃くはっきりとするのが意外。音色へも変化があり、弦の音がスムーズになるのに、優しくはならないというのが面白い。音が鞭のようにしなって飛んでくる感じと表現したらいいだろうか。単にツイーターの指向性の影響で高域特性が変化しただけとは思えず、反射音の質と量の変化が効いているのだろう。モノラル音源が以前よりも散らずに真ん中から聴こえるのも落ち着く。
ただし気になる部分もあって、音場がスピーカー周りにコンパクトにまとまり、その場をのぞき込むような聴き方になってしまうようだ。音が素直に部屋に満ちるのではなく、粗密ができて少し不自然な感じ。それから見た目の話で、奥行きのあるスピーカーの側面が見えてしまい折角の前面投影面積の小ささが台なし。スピーカーが自分に正対しないのは生理的に受け入れ難いという問題もある。
総じて定位的には良いのだが。音場の提示に対する聴き方が俯瞰的、客観的になり、結果音楽との一体感、没入感が希薄になるのが引っ掛かる。
いろいろ試してみて聴取位置の70cm前で交差させた状態でしばらく使ってみることにした。後で調べるとスピーカーの角度はほぼ60度(いわゆる正三角形)となっていた。
今回は4つ脚のひとつを軸にして振り角を変えたので左右の間隔も以前から変わっている。この辺りも調整しつつ様子をみたい。