旅人の木

吉祥寺のラーメン店。夫婦で切り盛りしているようで、コの字のカウンターのみの店内ではあるが丁寧な接客と落ち着いた内装によって心地よい空間になっている。汁ソバを食べた。
節の効いたダブルスープ。スープを入れる前に魚粉を匙一杯投入している。思ったよりも粉っぽさはないがやはりB級っぽさは漂う。この日の麺はそば粉入りではなく卵麺。長楕円の断面で表面はツルツル。茎ワカメが入ることのみ修行先の一二三を思い起こさせる。柔らかく崩れる煮豚は縁が黒く、焼いてから煮ているのかも知れない。
カウンターにナンプラーが置かれているのが何とも珍しい。メニューもこの種のラーメン店としては特に豊富で主人の熱心さが理解できる。ただ汁ソバ自体からはもうひとつ伝わるものが希薄な気がした。