PVM-1741使用感

PVMで自分の視聴メディアの中心であるテレビ放送を見る分には、あまり嬉しくないことがわかった。送り出しの画質の悪さを容赦なく提示するからだ。使われている機材の品質が悪いのか、編集段階に問題があるのかはわからないが、プロジェクターで見るよりその汚さが容易に認識できる。

一方で本当に高画質なものは規格の限界点を実感できるような気がする。例えば生放送であるニュース番組の女性キャスターが現実離れしているほど美しい。照明や化粧、また素材の良さあってのものなのだろうが、今までは気付かなかった。100インチのプロジェクターで見るより、肌の質感が良くわかる。立体表現というと、背景に対して対象物が引き立つということを思いがちだが、もっとミクロな肌の凹凸なども立体表現が効くということだろう。

有機ELの黒の表現に関しては、頭でわかっていても思わず息を飲んでしまう。そして意外にも何故か気持ちいい。小型スピーカーから大型スピーカーに替えた時に、低音を想像によって補わなくなるためにストレスが減ってより音楽に集中できる、あの感覚と同様に思う。

ただ、黒に近い階調表現が実は放送ではあまり活かされていないことがわかった。一般のテレビで表現できないため、制作側で配慮しているのかも知れないが、そんな配慮などせずにコンテンツに含まれているに違いないと思っていた。折角の性能が発揮できないのは残念だ。

ある程度想像していたことだが、以前とは違い画面内の文字が最近の大画面テレビ向きになっていて、17インチを視距離2mで見るのはかなり苦しいこともわかった。2mというのは寝椅子でリラックスして鑑賞するということで、PVMでは床に座ってモニタの前で身を乗り出すようにして見入る、というスタイルが正しいような気がする。