フライトジャケット CWU-45/P

90年代初めに購入し、10年以上愛用したISRATEX社のCWU-45/P、ノーメックス素材が強靭で生地同士が擦れた部分の糸が徐々に切れていってしまい、ついに買い替えの時と判断した。
調べると、その後ISRATEX社は不良品納入か何かで軍の採用から外され、倒産してしまったそうだ。現在ISRATEX社製として流通しているCWU-45/Pは、ブランドを引き継いだ別会社が民間専用に生産しているものという。実物をみると、素材のノーメックスは以前と同じようだが、袖口のジャージークロスは明らかに別もので、何だか色が合わず、織りもしょぼい。
結局、現在も軍に納入しているALPHA社の方を購入した。戦争の影響なのかISRATEX社倒産の影響か以前より3割ほど値上がりしていて、入荷も安定しないらしい。
以前のものと並べて比較すると、まずノーメックスの色がかなり違う。これは褪色?によるもので時間が経つと赤銅色になるようだ。メタリックな感じで深みもあり、はっきりいって新品より大いに魅力的だ。比べると新品は表面的でおもちゃっぽく軽薄に感じてしまう。化学繊維が長い間に「味」を獲得できることに驚いた。そのような楽しみは革などの天然素材に限られると思っていたので、完全に認識を新たにしなければならないだろう。
ジャージ部の色も褪色しているのか以前のものの方が黄色っぽい。ただこちらはそれほどの差はない。
ジッパー部がSCOBILLからYKKになっている。ロゴデザインの理由によるのかも知れないが非常に安っぽい。
驚いたのは襟のサイズが小さくなっていることだ。
その他にも違いがあるかも知れないが、全体の造りの質自体はほぼ同等と思う。
ところでCWU-45/Pは2度ほど洗濯したことがある。長い間DRY CLEAN ONLYとの表記を守り、ドライクリーニングを繰り返していたのだが、汚れが十分には落ちず、汚れで縞々になり非常に見苦しくなった。捨てようか迷った時にダメ元で洗濯機にほうり込んだところ、キレイさっぱり汚れが落ち、拍子抜けするほど何の問題もなかった。違いは全体にしんなりしたこと。バリッとしていたものが柔らかくなった。それともうひとつ、中の綿?がいくらか抜けたかも知れない。ただ今回新品と比較してみてやはりそれほどの影響はないことが確認できた。

15年後の買い替えの記事(褪色比較画像)