映画の中のオーディオマニア

地上デジでインファナル・アフェアという香港映画を観た。潜入捜査官とその逆の立場の男(元々マフィアだが、それを隠して警察学校に入り、警察では幹部候補にまでなっている)を主人公とした映画である。
二人が互いの身分を知らないとき、オーディオショップで偶然客と店番として会話するシーンがあり、映画では珍しくオーディオマニアの会話が交わされる。
店内は日本と同じ景色、B&WやSonus、ELACなどが並んでいる。スピーカーの試聴をする。店番は適当なアンプとして香港製の真空管アンプを組み合わせ、女性ボーカルを掛けながらその音の特徴を解説する。客は頷き、このケーブルなら更に良くなりそうと、店にあったケーブルを選び、二人でそれを聴き、納得する。スピーカーとアンプをセットで購入する旨を告げると、店番はスピーカーについては別の店の名を挙げ、そちらで買った方が安いからとアンプのみを売る。ちょうど帰って来た店長に文句を言われるも、先程試したケーブルを自宅試聴するからとそのまま持ち帰ってしまう。店長はそれは4000ドルもするのにと嘆く。
観ている時は米ドルと思って40〜50万円もする割にはブリスターパックというパッケージはあり得ないと思ったが、後になって香港ドルであったと気づいた。6万円程度なら確かに十分にありうる設定だ。
しばらく後のシーンでは自宅にコンチェルトグランドピアノが置かれていて、店で試聴したのがまさにそのスピーカーであったことが判明する。なるほど真空管アンプや女性ボーカルには合うだろう。自分もSonusのスピーカーを以前愛用していたのでそのシステム構成はよく理解できる。
映画のストーリー自体は血みどろで気持ちの良いものではないのだが、オーディオのシーンを見るだけでも一部の人には十分面白いのではないかと思う。