音響樽

音響樽
先端コンテンツ技術展で、音響樽を試聴した。
頭より一回り大きい籠状の骨組みの表面に配置された96個の無指向性マイクで収録した音源を、樽型の部屋の中央に座り、周囲96個の16cmフルレンジスピーカーで再生する。
サンプル音源は、教会でのパイプオルガン、蝉時雨、能舞台、コンサートホールでの交響曲。そして、音響樽内で収録された、「デモ中に失礼します」と研究者が扉を開けて、中でガチャガチャ作業する環境音というネタもの。
出音がとにかく自然で、ふっと軽く浮き上がるように音がする。定位というオーディオ用語は頭に浮かばない。パイプオルガンの低域も過不足ない。振動盤面積の合計が38cmユニット17個分にも相当するからだろうか。ただ、音色自体に魅力は感じない。その辺りは高忠実ではないのかも知れない。