パネライ/ラジオミールベースPG

パネライ/ラジオミールベースPG(PAM00231)を購入した。中古品。
パネライを所有するのは二度目で、3年ほど前までルミノールマリーナのチタンモデル(PAM00061)を持っていた。時計自体には非常に満足していたのだが、無骨すぎて似合う服装が限られ十分使いこなすことができなかった。そしてそれをそのままにしている自分が許せなくなり手放した。
パネライは変わらず好きで、今回手に入れたモデルは発表時から気になっていた。ラジオミールは小秒針の位置やサイズなどが好きになれず、自分が購入することはないと思っていたところ、小秒針がないベースモデルというのが出て、初めて外の部分に目が行くようになった。そうして改めて見直すと、特にルミノールで気になっていたマッシブなケース側面とは大きく異なる、贅肉を削ぎ落としつつも面白みのある形状が目に留まるようになった。素材のピンクゴールドの柔らかさも不躾な大型時計に可愛気という面白い要素を与えている。
シースルーバックは何となくこれ見よがしな貧乏臭さが好きになれないのだが、二針の見所のなさから逃れられるという意味ではアリだろう。いろいろ考えてみて、これならルミノールとは違って自分にも使いこなせるかも知れないという気になった。
この時計は保証書に「ローズ」と思われるイタリア語の表記があるが、少なくとも日本ではピンクゴールドと言われている。ウェブを検索すると一般論としてローズゴールドとピンクゴールドは同じものという話もあるようだ。さてこのゴールドはどうかといえば、イエローゴールドに近いが、少し薄くそして赤み掛かっているようだ。イエローゴールドのように浮き立つような華やかな金色ではなく、肌の色と馴染みがよく、落ち着いていながらも軽みもあるという絶妙な印象を与えてくれるようだ。
使用感であるが、以前使っていたルミノールとは着け心地が相当に異なる。ルミノールはチタンだけあって軽く、そして幅広で厚いストラップでしっかりとサポートするので、無骨な見た目からは想像できないしっとりとした着け心地が楽しめた。ラジオミールは金無垢ケースの重さとストラップが美錠部に向けて細くそして薄くなっているのが効くのか、見た目から想像できる通りかなり邪魔な感じが付きまとう。一方で手巻きの巻き心地はなかなか良い。繊細なリューズのねじ込みを外して巻き上げるとコリコリとしっかりした感触が指に伝わる。リューズを介して大型ムーブを実感できるといったらいいだろうか。また二段重ねになっているインデックスは斜めから見ると隠れてしまうところも予想外な面白みがある。懸案である服に合わせやすいかについては、まずまずの収まりといっていい。フライトジャケットからきれいめのコートまでかなりの守備範囲があるように思う。