葉山

牛込柳町のラーメン店。茹でる前に、青竹を使い仕上げ打ちをするそうだ。朗らかで控えめな主人に食券を渡すとき、手が打ち粉で真っ白になっているのに心打たれる。並を食べた。
この上なく縮れた中太麺。口中で弾けるよう。もっといえば、麺に込められた気が喜びと共に迸るよう。このラーメンならではの麺の食感は、うどん的な麺全盛の現代ではとても珍しい。
さらりとしたスープは主張は控えめ。獣と魚介がバランスし、嫌みがない。丼の底には若干魚粉のざらつきがあったものの臭みは気にならない。
胡麻油の薫るメンマは堅い歯応えに合わせて細く切られている。煮豚は塩辛く、肉の旨味が凝縮されている。ネギが特徴的で、細目のものを長さ3cm弱、縦方向に何分割かされている。苦味は皆無で、シャクシャクした歯応えが濃密な丼空間に清新さを加えている。