Playback Designs MPD-8 音質

音は、広く喧伝されている通り、暖かみのある滑らかな印象。嵌まると音楽に血が通っているように聴こえる。
今まで気付かなかったピアノの左手の動きや、バックバンドの意外な表現に心動かされることがある。前に立つ音にピシッと光を当てるより、後ろで埋もれそうな音を丁寧に掬い上げる。そこにも暖かみを感じるのかも知れない。
そういえば昔からCDの音はエッジを強調したものと言われていて、自分でもその通りと疑うことはなかったが、このDACで聴く限り、解像度は十分に感じさせながらも強調は全く感じない。もしかするとそれはDA変換時の問題であって、元々の44.1/16のフォーマット自体には、エッジの強調は最初から無かったのではないかと考えてしまうような自然さだ。
現在、GOLDMUND MIMESIS RACKに設置しているが、脚の位置を合わせないとアクリルの色が乗ることが過去の経験でわかっている。脚は外せるようなので、その内インシュレーターを吟味したい。ただ、今のところあまり不満は感じない。現在の脚は接地面に堅いフェルトが貼られているのだが、暖かみや滑らかさが音の特徴ということで、目を三角にしてカリカリと調音する気になれないのかも知れない。