データディスク再生

 

 

 

アキュフェーズDP-1000のデータディスク再生機能を使ってハイレゾ再生を試している。思い入れのある音源で、CDとハイレゾデータを比較試聴した。

高木綾子のイタリアは新イタリア合奏団との共演。DVD-Musicディスクを持っていてGoldmundのDVDトランスポートを使っていた9年前までは繰り返し聴いていた。今回比較のためにCDを購入した。ヴィヴァルディの「夜」を48kHz/24bitデータと比較。録音は夜だったのか虫の声が背景に聞き取れるが、CDではざらつきが気になるのに対して、ハイレゾは細やかで美しい虫の声に聞こえる。楽器の音と分離して背景の音ということが区別しやすい。またCDは例によって音の輪郭がキリッとする一方で音像の密度感がやや薄め。ハイレゾは均一に音が詰まって全体にマッシブな印象。しっとり骨太な高木のフルートの音色がより魅力的に聴こえるようだ。

渡辺玲子のバッハ無伴奏も48kHz/24bitとCDを比較。ソナタ第3番の3,4楽章を聴く。こちらもハイレゾでは骨太さを感じる。長くCDで愛聴してきて、キリッと立ったエッジと、繊細でやや神経質なCDの音は、より真摯さが伝わると感じる。一方でハイレゾの方が懐が深いと思える部分もあった。こちらは引き続き比較を続けていきたいと思う。

ところでデータディスク再生ではトラック間に無音の時間が3秒程挿入され、更に機器からはトラック終わりと始まりにパチリというリレーの機械音が2回響く。ヴィヴァルディの「夜」は9分弱の曲が6つのトラック(楽章)に別れているが、録音は連続して行ったようで楽章間の虫の声がいい雰囲気を醸し出している。それが寸断されてしまい如何にも検聴している気分になって残念な感じだ。これに対しては音声ファイル編集ソフトでトラックを結合して解決することにした。

それ以外でも、トラックの数字をリモコンで直接指定できず、順送りと順戻しでしかトラック選択ができないなど、データディスク再生の使い勝手の悪さはかなり非道いレベルと感じる。