スピーカーのアッテネーター

スピーカーの端子はトライワイヤリングで、普通の6個の端子の他、中域と高域のプラスには別にアッテネーター回路を通る専用端子がある。したがって全部で8個の端子がある。
今まではずっと高域だけアッテネートした状態で聴いていた。高域がきつく、それを落としたいという考えだ。因みに中域は音量が落ちるというよりも位相が変わるような複雑な変化をするので使えなかった。
今の環境では恐らくは部屋の調音不足で低域の抜けが悪く、全域で不透明感がつきまとうため、高域のアッテネートをやめて標準の状態にしてみた。
一聴、高域が強まり、いわゆるドンシャリに変化した。以前のドンのみに比べると、ましのような気もする。一般に高域を変えると低域も、低域を変えると高域も変化するといわれるが、やはりその言葉通り低域の明瞭度が向上するようで、今まで見えなかったバスドラの動きが俄に見えてきて驚く。
色々と聴くうち、こちらの方がバランスが良いと思えてきた。以前の部屋は木造アパートでかなりの安普請。低音は漏れ放題で好都合だった反面、やや量が少なく、聴取距離の近さも相俟って高域のアッテネートが必要だったようだ。今の部屋は鉄筋コンクリートで、恐らくメーカーの音決め時の部屋により近いと思う。聴取距離の短さは以前と大して変わらないが、アッテネート無しの方がいいのは頭で考えても正しいような気がしてきた。
音調は大きく変化する一方、低域の不透明感はやはり相変わらず。ただし突出する高域によって輝かしさが出てきた。全域で不透明という状態からは逃れたようだ。
中域、低域のスピーカー端子にfo.Qは貼ったままだが、この部分の調整、そしてウーファー部のトルク調整でもう少し煮詰められるような気がしている