モーツアルト/ピアノソナタ第9番 ポゴレリッチ

Piano Sonatas Kv283 & 331

Piano Sonatas Kv283 & 331

前述のヘブラーの音は中庸で、好ましい鈍さがあるのに対して、こちらは鋭く、危ういところで録音がまとまっているディスクだ。
高域が非常に美しく、しなやかで強い。低域もタイトでクリア。ピアノの打楽器や弦楽器的な要素、木と金属の混然一体となった複雑多様な音が堪能できる。現実のピアノでは聴こえない音がするといってもいいかも知れない。
そのバランスはもろく壊れやすく、システムによってかなり印象が異なってしまうが、もともと危なげな録音のために本当の音がどうなのかは残念ながらよくわからない。