Mountain Dance マスタリングの差

フュージョンの名盤、Dave Grusin Mountain Dance を入手した。音楽自体は非常に気に入ったのだが、音質にやや違和感があり、入手可能なマスタリング違いの盤を比較してみた。括弧内の数字は聴感で音量を合わせた時のボリューム位置。コンプレッションの量の目安になるだろうか。

Mountain Dance

Mountain Dance

GRPオリジナルCD(0dB:基準)
Soundstream社のレコーダーでダイレクト2トラック録音されたデジタル音源からのマスタリング。
全域で締まっている。時々ベースやドラムスが薄いと感じる時がある。爽やかなアレンジに合ったニュートラルで強調感のない音調だが、フュージョンとしてはやや大人しく、ノリや張りが足りないかも知れない。デジタルらしく安定して精確な格調高い音。
マウンテン・ダンス

マウンテン・ダンス

・1998年ビクターK2マスタリングCD(-6dB)
同録されたアナログ音源からのマスタリング。20bitK2。
低音が他の帯域に比べて緩く、高域には多少不自然な強調がある。一言でいえばドンシャリならぬドロンシャリ。コンプレッションによると思われる「鼻摘まみ感」が終始感じられ、抜け切らない。いわゆる音圧は上がってグルーヴ感は確かにある。小さいが高域にパチパチという原因不明のノイズあり。アナログ録音のテープヒスも弱音時はっきり認められる。
マウンテン・ダンス(XRCD-24bit Super Analog/紙ジャケット仕様)

マウンテン・ダンス(XRCD-24bit Super Analog/紙ジャケット仕様)

・2003年 XRCD(-6dB)
同録されたアナログ音源からのマスタリング。24bitK2。
基本的には98年盤と同じ。中域から低域へ掛けて若干見通しが良くなっている。温かく穏やかで分厚い所謂アナログ的な音が98年盤よりも強調されている気がするが反面やや不安定なところもある。悪く言えば玩具っぽい安い音。