疑似サラウンド

ステレオ信号からの疑似サラウンド化が巧くいった例を記しておきたい。
AVアンプ NR1606のモードは「ドルビーサラウンド」。元がステレオ信号でもマルチチャンネル信号に変換するとある。これまでもステレオ収録のドラマや映画で、雨音や雑踏の場面で音に包まれるようになることは経験していた。以前使っていたPioneerのAVアンプに比べると、不自然な感じや、これ見よがしな部分はなく、本当に必要な部分のみ最小限機能する印象だ。
1996年の映画「学校の怪談2」のテレビ放送を再生した。音声はステレオ収録で、いつも通りほとんどサラウンドを意識することなく視聴していた。この映画はユーモラスな調子で、子どもが観てもそれほど怖くないように配慮されていて、安心して観ていたのだが、急に後ろから妖怪?の声が聞こえてきて、本当に驚いた。姿を見せずに「赤い紙?青い紙」という声だけがする。いきなり計ったようにサラウンド効果が最大限発揮され、その的確さに唸ってしまった。
ステレオ信号に、リアチャンネルを重畳するドルビー技術というのが以前からある。その場合のリアは1chということなので、先のシーンで右後ろから聞こえたことからすると、処理の内容が違うのかもしれない。