試乗

ケータハムセブン160に試乗した。
アクセル、ハンドル、ブレーキの操作に車が素直に反応する。走る曲がる止まるが思い通りに行える感じがして、一般的な乗用車より圧倒的に安心感がある。
エンジンは鈍重な印象。細さ鋭さは全くなし。音も「ブイ〜ン」と味気なく、気持ちが高揚することはない。ターボの音や加速はそれなりに感じられる。ケータハムECUに手を入れているので、何か味付けのようなものを期待したのだが、「その辺にあったエンジン乗っけました」感を受けた。
脚周りは、タイヤ、ホイール、サスペンションが標準とは異なる仕様ということだが、市街地を少し走った程度では、不意に突き上げるような反応は何回かあったものの、乗り心地は悪くないと感じた。
ドアを取り付けてヒーターを入れると風も入らず、真冬の運転でも快適で面食らってしまった。
車が軽いとは特に感じられない。軽いといっても500kgもあれば、動くのにそれなりの重量感は伴うということだろう。
総じて、乗り込んでしまえば想像していたよりも普通に落ち着いて運転することができる。むしろとても従順で運転しやすい車と感じた。
様々なセブンの中で160の存在価値であるが、「タケコプター的魅力」がより強いことなのではないだろうか。こんなしょぼい構成でこんなことが出来るの!という驚きが大きい。もしかして未来のタケコプターにも上級モデルがあって、より速く飛ぶことができるのかも知れない。ただ、タケコプターの潔さ、清々しさを減ずる方向にいくのではないだろうか。軽自動車用のエンジンを積んでいたり、ホイールもテッチンだったりは、あえて質素な魅力を狙っているように思える。