印鑑ケース

家の購入の関係でこのところ実印を使う機会が多い。祖父から受け継いだ印鑑を実印として使っているのだが、印鑑ケースがぼろぼろなのが気になっていた。しぼ状に型押しした牛革は所々擦り切れ、フレームの金属部は錆だらけという状態だ。
印鑑のサイズは直径12.5mm、長さ40mmで、現在一般的なものではない。有楽町の老舗で尋ねると店の奥からかなりの時間を掛けて牛革とトカゲ革のものを探し出してきた。本当はワニ革が欲しかったのだが、謹厳な雰囲気の店主のやり遂げたような表情を見ると断り切れずトカゲ革を購入した。3,000円。
ケースの構造や仕上げなどは恐らく半世紀は経っていると思われる元の印鑑ケースと全く変わらない。完成されたデザインということだろうか。個人的には内蔵されている朱肉の必要は感じないので、それがないものが欲しかったのだが、ウェブで調べた限りではそのような印鑑ケースは見当たらなかった。職人に特注という手はあったかも知れない。