Machine Head Audio Fidelity盤

Machine Head

Machine Head

72年と古い録音だが期待以上の高音質。そして演奏は20年以上ぶりに聴いて、以前は気付かなかったことが色々と気になり興味深い。
ベースは一音多いのではと思うような速さと前乗り具合で迫る。ドラムは挑戦的かつフレッシュで目が覚めるよう。ギターは極め尽くしたキャッチーなフレーズを惜し気もなく次々と繰り出して圧倒する。この辺りにわかにモーツアルトの曲に似ていると感じる。また奏者のテンションは最上のモダンジャズを想起させる。確かな腕を持った第一人者が集いクールに技を披露し合う張り詰めた雰囲気。そしてその余裕が音楽の凄みに繋がっている。
平均音量が小さく、最近のロック系のディスクより15〜20dBボリュームを上げると同等の音量感が得られる。恐らくリマスタリング時にコンプレッションやリミッターは全く使っていないのではないだろうか。ドラムの音がぎっしりと詰まっていかにも音塊として意識できるところ、天井知らずに盛り上がるダイナミクスなど最近のメジャー系のディスクからは全く望めない真っ当な質感を持っている。