ワーナージャパンのSACD

マシン・ヘッド(SACD/CDハイブリッド盤)

マシン・ヘッド(SACD/CDハイブリッド盤)

ワーナージャパンのSACD、Machine Head と Hotel California を購入した。以前、ワーナーがDVD-Audioで出していたシリーズをSACDで出すという。PCM音源をDSD変換したものだろうが、プレミアムの付いてしまったDVD-Audio盤を買わずに済むのはありがたい。DVD-Audioを押していたワーナーがSACDを出すというのも感慨深い。外部DACが自由に選べない時点で両方ダメと思っていたのに、SACDはいまだに生き残っていることに驚く。
Machine Head のCD層をAF盤と比較する。
約8dB音量が大きい。音が堅い。タイトではなく全体に生硬い。AF盤は柔らかいが元がアナログ録音なのでこの程度が普通だろう。AF盤の音色が多彩なのに対してワーナー盤は一本調子。特にサビのギターがおもちゃみたいにペラペラで脱力する。
SACD2chは傾向はCD層と同様だが、ヴォーカルは音場の中ですっくりと立ち、ニュアンスも楽器の音に乱されずに伝わる。フォーマット自体の器の大きさを感じる。解像度的にはCD層より高いが、音色は同じように単調。一言でいえば、AF盤の方が上質な機器でケーブルや電源等まで気を回してデジタル化されたような感じを受ける。
マルチはドラムの音がベコベコして明らかに別の音になっている。サラウンド設計は明確な意図が感じられず面白くない。
Hotel California はDCC盤と比較。
音量差は約6dB。DCC盤は古いのでダイナミックレンジは使い切れていないだろう。ワーナー盤は低域が団子になって見通しが悪い。全体に細部が聴き取れず微妙なニュアンスがなくなってのっぺりした音になっている。
CD層とSACD2chの差は少なく、再生機器の音質差の方が大きい印象。
マルチは巧く楽器を散らしている。ふんわりしたドラムの上に乗ったヴォーカルが伸び伸びして聴きやすい。必要な時には楽器がフロントにやって来て、違和感なく存在をアピールするのも良い。2chが音楽の表現内容からすると、ややごちゃごちゃしているので、このサラウンド設計は合っているように思う。