赤坂味一

船橋にあるラーメン店。店名の「赤坂」は昔、屋台か店を赤坂でやっていたことに由来するようだ。以前取り上げたが、その後はまってしまい、自宅から遠いにも関わらず月に複数回は食べに行っている。自分にとって最高のラーメンであり、今一度感想を記してみたい。
以前のむせ返るような煮干しの香りはなくなっている。主人は味を変えることを厭わず絶えず試行錯誤しているようで、現在は香りとして飛ばさず味にそのエキスを凝縮させようとしているようだ。食べ始めから豊かな煮干しの味を感じさせ、最後に丼の底に残ったスープでも煮干しの快い苦みをもう一度印象付ける。煮干しの効果は店内外や丼に向かった始めの香りだけで、味としてはそれほど感じさせない店が多い中で、味一の煮干し使いは目覚ましい。
麺は縮れた中太でマットな質感。スープとの絡み具合が良い。適切な堅さに茹でられると食べ終わるまで伸びを感じず麺を手繰る爽快感が十二分に味わえる。午後4時の終了間際の比較的すいた時間帯は茹でが安定しスープも濃いので、できるだけこの時間に出向くようにしている。
煮豚とメンマは最初は素っ気ないと感じたのだが、その後何度か食べる内に侮れないことがわかってきた。噛み締めるとじんわりと肉の旨みが広がるもも肉の煮豚。丁寧に仕上げられ、最高の歯応えと王道の味付けの楽しめるメンマ。メニューには無い「チャーシューメンマ(ラーメン)」を頼んでまとまった量を食べると特にその良さが実感できる。
ラーメンは各々の具に注目するのではなく、丼内の調和により1+1が2を越える妙を評価すべきと考えているが、味一の特にスープとメンマに関しては単独でみても未踏の高みを示していて、食べるたびに唸らざるを得ない。
戯れに自分がどれ程、このラーメンが好きなのか満足度を数字にしてみると、トップの味一を100とすると他店では良くても70止まりとなってしまう。
赤坂というのは自分の勤務地で、ラーメン屋が多いわりにどうにも好みの店がないので困っている。叶わぬ夢だろうが赤坂味一赤坂支店ができないものかと妄想している。