パイオニア SC-LX83

kohorogi2011-08-12
AVアンプをパイオニア VSA-LX53 から SC-LX83 に買い替えた。
53 は音に不満はなかったが、薄い天板の造り、放熱口から見えるアルミ箔のような放熱板や部品が外れているのではと思うほどに美しくない回路を目にするたび嫌な気持ちになり、思い切って買い替えることにした。
83は、天板の薄さ自体は 53 と似たようなものだが、間に桟を渡して強度対策してある。また放熱口から見えるトランスやコンデンサ、基盤なども普通な感じで悪くない。ハイエンドの 90 は造りは現行機種では別格のように良いのだが、少し発売が古いこと、消費電力の大きさ、奥行きの長さが気になって見送ることにした。
83 の使用感だが、双方向の無線式リモコンの使い勝手が予想以上に素晴らしい。背面に設置していることもあって方向によらず使えるのは実に楽。そして現在の音量の数値が手元で確認できてディスクごとの再生前の音量設定がしやすい。音量変更時の表示切り替えのタイムラグも許容範囲だった。
音質も向上した。マルチで聴くとスピーカーから聴取位置まで濃密に音が満ちている。53 ではもっとスピーカー寄りに音があってこちらから聴きに行っていたのが、83 では音が身体に浸透するようにひたひたと押し寄せてくる。
53 にはなかった位相制御(Full Band Phase Control)が効いているのかと思ったが、以上は Pure Directモードでの印象。調べると位相制御のみならずイコライザーや定在波補正は全てOFFになっているそうだ。基本性能の違いでこれだけの差が出た。次に前述の機能がONになる Direct モードで聴くと、残念ながらほとんど差が感じられない。若干滑らかになる気がするものの、どこか甘いというか緩い印象も伴って嬉しくない。毎年モデルチェンジするほどデジタル処理に力を入れているはずなのに、まだ不十分なレベルだったというのは残念だ。