近喜屋

川越のラーメン店。カウンターのみのがらんとした店内は黒基調の内装で、炒めものはないはずなのに何だか油染みてくたびれた印象。昼には行列ができることもあるそうだが、平日の20時には客もまばらでまったりと落ち着けた。
つけ麺、炊き込みご飯を食べた。
麺は太く捩れて黄味が強い。つけ汁に付けずに口にするとじんわりと小麦の味がする。つけ汁は濃いラーメンスープ系で甘辛酸は控えめ。鰹が強いが、香りというより臭いといった方がよく、粗くあくまでつけ麺の王道を行くB級テイストである。つけ汁には見慣れないみじん切り状態の白ネギが浮き、ざっくりしたスープの質感と巧くマッチする。
煮豚は大きく適度な厚さ。柔らかい一方で噛み応えも十二分にあり肉汁が弾けるように口中に広がる。
メンマは外観こそ普通なのだがコリコリしゃっきりした食感はこの上なく痛快。役回り的に満点といっていいだろう。そして更に胡麻油の香ばしさもアクセントとして光る。思わず追加のトッピングオーダーをしてしまった。
スープ割りをするとラーメンスープの感じが強まる。この店ではラーメンの人気も高いようだ。
炊き込みご飯は括弧書きでチャーシューご飯とある。煮汁でしっかりと炊き込んであり、肉よりもあくまでご飯が主役のようだ。細く切った生姜が効いて飽きさせない。油っこいばかりで眠くなる巷の煮豚飯とは明らかに一線を画す鮮やかな仕上がりを見せている。