北区豊島にあるラーメン店。最寄り駅は東京メトロ南北線の王子神谷になるが、炎天下に歩くには少し遠く、自分はJR王子駅からバスで出向いた。
特徴的な煮干し出汁が話題のラーメン。具はネギのみという究極的な潔さ。他に肉そばがメニューにある。スープを残す麺食いが多い中でスープ増しができるというのも嬉しい店。
そば、スープ増しを食べた。スープ増しは100円で合計600円。それでもスープの量は一般的といえるものだった。焦茶色のスープは表面に白っぽい滓のようなものが浮かぶ。味は濃厚で香りもあるが、華やかさのようなものは感じられない。いわゆる煮干しガツンといった暴力的なものではなく、煮干しの滋味を丁寧にすくい取ったような印象。苦みや酸味はほとんど感じられず、重厚なエキス分に深く引き込まれてゆく。
麺は細いストレートでキリリと堅く茹で上げられている。具で気を紛らわすということが出来ないので、客も神経を尖らせて食するところがあるのではないか。例えば二郎のように食べることがストレス発散になるのとは正反対のラーメンといえると思う。
さっぱりした店内の設えや、真っ白で小さな丼もラーメンの印象にしっくりと合っている。名店と思う。
