森田食堂

呉の食堂。中華そばを食べた。
冷蔵ケースに入った小鰯の煮付け、海鼠酢、煮しめなどの小皿は、自由に取って後で清算酒類、中華そばや丼もの、湯豆腐などは店員に注文するというシステム。創業100年を越える、絵に描いたような本格食堂である。
中華そばのスープは透き通っている。いりこ出汁という。しっかりとエキス分があり、十分に塩辛い。醤油は彩りとして入っているのだろうか。麺は白く、極軽く縮れている。やわらかく茹でられ、細麺にも関わらずもっちりとした食感で、粉っぽさは感じない。モヤシは広島で一般的な細く堅く青味の濃いもの。しっとりとしたネギは観音ネギだろうか。薄い色のメンマは塩味。煮豚は豚コマを湯がいただけ。
全体に穏やかな和風の味。丼の中ではモヤシの我が一番強いという珍しいバランス。ひとしきり呑んだ後にいい締めになる中華そばといえるだろう。