生粋 花のれん

茗荷谷のラーメン店。市ヶ谷「庄の」関連店だそうだ。無化調、純国産、天然素材を謳っている。
麺茹でなど主な調理作業は女性が担当。テキパキして気の入った動きだ。3玉分の最初の湯切りは、左手に2つのテポを下げつつ、右手で静かに細やかに行っている。たまたまだろうが、若い女性だけのグループや、年配の女性が一人など、なぜか女性客が多かった。
醤油ラーメンを食べた。「庄の」はスープが少なかったのと、丼が底に向かって細いタイプなのを店内で確認したので、大盛りを注文してみた。
彩度明度低めの醤油色。醤油の香りは立たず、落ち着いた沈んだ味。出汁は魚介系。ホタテかスルメか、インスタントラーメンのチャルメラを思い起こさせる香り。ただし目覚ましいのは最初だけ。
中位の太さの縮れ麺。手打ち風で太さは不均一だ。もっちりまではいかないが、食感が良い。スープと相俟って全体に穏やかで優しいラーメンとなっている。
具は、チャーシューが2種。直径50〜60mmと小さく、厚さ5mm程で中央の赤味が強いものは、しっとりして弾力のある出色の食感。そしてあまり経験のない獣の味がする。この味を出すために手を掛けているのだろうか。もう一方は10mm強のサイコロ型。皮と脂身メインで甘い。白葱の細かい小口切り。メンマは、メンマと呼んでいるが筍の煮物だろうか。ねっとり感のない、しゃっきりした歯応えと、きっぱりした直接的な味。青菜は今や珍しくなってしまった、ほうれん草が主張する。
スープは大盛りでも少なかったが、量を楽しむタイプではなかったようで、次回は並み盛りでも良いかも知れない。