赤坂味一のラーメンにはまってしまい、煮干しベースのラーメンを探している。船橋にある赤坂味一には、流石に他に用もないのに頻繁に出向くことはできない。近くで気を紛らわすに足るラーメンはないだろうか。
たけちゃんにぼしラーメンは自分が武蔵野市に住んでいる時に深大寺で店を構え、開店当初から意識していた。何度か店の前を通ってその行列を目撃していたにも関わらず、当時は煮干しにもうひとつ興味を覚えず、結局一度も入ることはなかった。深大寺という蕎麦の名所にあるということで、穏やかな和風ラーメンを想像していたこともある。本店は調布に移ったそうなので、代々木の支店に行ってみることにした。
カウンターメインの広い店内。ハロゲンの照明。厨房も広く器具も整頓されていて設え的には期待以上。ただ店内に煮干しの香りが少ないのが気になる。
ラーメンを食べた。
スープは味も香りも醤油が前面に出て煮干しは控えめ。煮干しガツンならぬ醤油ガツンという感じ。奥には確かにやさしく穏やかな煮干し風味を感じることはできる。
煮干しの癖のない部分のみを活かして手堅く品の良い土台を作り、その上に張り出しの強い醤油を持ってきて最近のラーメンの中にあっても見劣りしないインパクトを持たせるという考えのように思う。代々木というラーメン好きの若者の多い土地ならではの考えなのか、以前の深大寺時代からそうだったのかはわからない。
麺は中細なのにもちもちした独特の食感と爽快な噛み応えが印象的。少しぬるぬるしているのには違和感がある。メンマは標準的。煮豚は厚く柔らかいが噛み応えもある。脂身の甘みも強い。キリッと立った切り口が醤油のキレと良い対比をみせている。
代々木店ではつけ麺を第一の売りにしているようだが、ぬめりを除いたこの麺をきっぱりしたつけ汁で食わせるとしたら、なかなか魅力的と感じてしまう。
