ちゃぶ屋

護国寺のラーメン店。こじんまりしたコの字型のカウンターのみの店内。内装や照明がよく考えられている。店員の服装や所作もだらけたところが全くない。ちゃんとしたラーメン店ということがどこを見てもビシビシと伝わってくる。1996年式の正油らぁ麺を食べた。
麺の見た目は稲庭うどん風。ツルツルしているところも似ている。味にもあまりラーメンらしさはない。スープの上に分厚く油を張っているせいもあるのか、麺がツルツルを通り越してヌルヌルしている。
スープは丁寧な鶏ガラベースだが、もう一つ華がないとも思える。暴力的だったり、目覚ましい冴えがあったり、過剰であったりと何らかの刺激をラーメンというB級料理に求める口には物足りないかも知れない。
具は丁寧に仕上げたメンマ、脂の旨い柔らかい煮豚。葱は細目の白葱、極細の青葱の他に揚げエシャレットも入っている。スープにもともと臭みは感じないのだが何故そこまでするのかは理解できない。
土曜の昼過ぎに行ったところ、護国寺という土地柄か中高生が約半数と多い。そしてラーメン好きと思われるカップル。近くに仕事に来てたまたま入ったと思われる肉体労働者はライスを所望して謝られていたりと、客層が普通のラーメン有名店とはかなり異なっている印象を受けた。学生は出来上がるのを待つ間にもカウンターにノートを広げて仲間と議論していたりと明らかにリピーターだろう。価格はこのタイプのラーメン店にしては650円からと安いのが効いているかも知れない。
店のホームページにはラーメンのこだわりが丼に至るまで詳しく書かれていて面白い。味噌や塩なども食べてみたい。