茶壷



上海の豫園茶叶博物館で茶壷を購入した。2100元(約27,450円)。
政府直轄の中国茶に関する博物館で、茶の歴史に関する展示解説の他、工夫茶の給茶実演と、茶葉茶器類の販売所がある。ツアーの最後にしっかり販売所があったり、説明や売込みが妙に上手いのは気になるものの、政府直轄ということで、値段は別にして質は信頼できるだろう。
販売所は規模はそれほど大きくないものの、茶壷は形状や材質が数種あり、スタンダードなデザインが多い。値段の差がかなり大きいのが興味深い。
店員の説明では土の鉄分が多いほど良く、叩くとチーンという金属のような音がするという。実際にその差を聞かせてくれたが、音はともかく、丈夫というということをアピールするためか蓋で腹の部分を思い切り強く叩くのに驚く。そして茶壷を耳に持って行くと、共鳴の音が長く奇麗に尾を引いている。堅いと重くなるだろうが、軽いことも高価の理由とのことで、確かに少し持ち上げて比べるだけで違うことがわかる。強度を保ちつつも薄く作られている。
行きつけの麻布の茶葉茶器店、海風號で購入した2つの茶壷に比べると、手にした時に堅く冷たいが、仕上げはとても滑らかで全体の静かな雰囲気は悪くない。同じようなものばかり使っても面白くないので、高価とは思いつつ購入してみることにした。
帰ってネットで調べてみると、音が金属的なのは焼きすぎの証拠でなかなか育たないため、よろしくないとされていた。また、薄い仕上げは熱が逃げやすいことで香りや味にも差が出るとあった。これから長く付き合って茶壷の差を楽しんでみたい。