台南の麺など

1月に台南に旅行して、麺などの小吃を食べた。何店か記録を残しておく。

度小月本店および旗艦店
担仔麺を台北の支店で間を置いて2回食べたことがあるが、台南ではスープの甘さがより強く印象に残る。旗艦店の方は本店よりも甘さは控えめ。時々の差だろうか。おろしニンニクの辛味と少量のパクチーが効いている。麺の印象は薄い。
少量の麺に、濃厚スープの組み合わせというのは、つけ汁に浸した、つけ麺というイメージだろうか。「よく混ぜてから食べろ」と店員に言われることからも、混ぜ麺とみるべきか。いずれにしても、ラーメンの概念とは別の食べ物として臨む必要があるようだ。


卓家手工魚麺
魚の擂り身で作られた麺。蒲鉾のような滑らかさを想像していたが、骨まで一緒に擂り身にしているため、舌触りはざらつき、喉にチクチクと引っ掛かりがある。混ぜ物が少なく味自体は期待を裏切らない。スープは意外にも肉ベースで細かい挽き肉が沈む。干し海老やニンニクも入り、シンプルだが絶妙なバランスの旨さがある。


葉家小巻米粉
いかビーフン。ビーフンスープに、茹でたスルメイカが乗る。麺は断面が丸く中太、滑らかで優しい食感。穏やかな薄味出汁のスープは胡椒がピリリと効き、刻んだセロリが華やかに香る。
プラ箸なので麺が滑り、また麺自体とても切れやすく苦行のように食べにくいが、食べ進めると、不思議な甘さが穏やかに口中に残る。丼の景色も美しく、どこかスイーツのように感じられる。


茂雄蝦仁肉圓
箸で切り分けられないほどもっちりしている。台南では、一般的なさつま芋ではなく、小麦を材料とするそうだ。
カップヌードルに入っているような干し海老は良い感じに蒸されてほっくりしている。


阿鳳浮水虱目魚
サバヒーの擂り身をとろみのあるスープに浮かべたもの。スープの予想外な酸味が青魚の生臭さを巧く封じ込めながら旨味を十二分に引き出しているのに驚く。箸で切れないほど混ぜ物なしでみっちり。しゃっきりした噛み心地も実に痛快。スープに嫌らしい甘味は全く無く、具だけで勝負する潔さがある。インパクトのある擂り身に比べて、薬味の生姜の千切りとパクチーが控えめ過ぎるのが物足りない。