とうかんや

江東区が誇る二大行列店のひとつ、南砂町の「とうかんや」でチャーシュー麺を食べた。
店から「砂町銀座○○商店」という看板が見えたので、あの賑やかな砂町銀座が近いのだろう、駅からはかなり遠い。にもかかわらず土曜の15時過ぎに6人の行列。店内にも待つためのベンチが4人分あった。客は3歳位の子を連れた家族が2組とカップルばかり。人気店にも関わらず落ち着いた雰囲気の店内だ。家族連れの帰り際に、おかみさん?がキャンディーのようなものを駄菓子の容器から取り出して子供に渡していた。地元の人中心に愛されているのか、店を出るまでずっと満席が続いた。
小さく深い丼を覗き込むと、中に小口切りの唐辛子が数片浮いている。生醤油の旨さを引き立たせたダブルスープと聞き、純和風を想像していたので驚いた。スープは鰹節の香りとしっかりとした醤油味が直球で迫るもの。麺は浅草開化楼の黄色い中太麺で、きりっと茹で上げてある。煮豚は楔形に切ってあり、薄い部分の柔らかさ、厚い部分の肉を噛む食感を両方楽しめる。これも強い醤油味。メンマもまた醤油と胡麻油?を使っていて、ヨシベー錦糸町店のものを思い出した。
張り紙に「味が濃いので薄めが好みの方は言ってください」とあり確かに濃いが、それは単に塩辛いというより全体に凝縮され押し寄せるような「濃さ」だ。唐辛子は、この「濃さ」に巧みにバランスしていると感じられた。