赤坂味一

閉店時間午後4時というのにやられて、前回は入ることが出来なかった船橋の人気店に約一年ぶりに行った。
店に入ると魚介系スープの匂いが満ちていて一気にその世界に飲み込まれる。食べ物メニューは中華ソバ、チャーシューメン、メンマラーメンしかないという本格的なラーメン専門店。中華ソバを食べた。
濁った茶色のスープは一面に脂が浮く。味は最近のラーメンに比べると、さっぱりしている。麺は黄みの強い中太で見た目が豪快な割には淡泊。ただし量はかなりあって、普通の店での大盛りくらい。薄味と思いつつ粛々と食べ進めるうちに、スープの独特の甘さと煮干しのワタの苦みが快い対照を見せて飽きさせないということに気が付いた。
昔風の甘い煮豚と癖のないメンマ、ワカメが少しとナルトが入るが、これらの具は気が紛れる程度の素っ気なさ。あくまで麺とスープを堪能させるという考えだろう。
初めて食べたのにどこか懐かしいラーメン、日本がもっと貧しかった頃にご馳走だったラーメンがそのまま目の前にあるというイメージだろうか。
がらんとしてシンプルな店内は意外に広く、主人とフロア担当の2人しかいないのに、客は入れかわり立ちかわりやってくる。回転が早すぎて、行列ができないのが凄い。店と客が醸し出す雰囲気からいっても正しく名店だと思う。