甲斐

久我山の中華そばとつけ麺の店。白い暖簾に大書した墨字が潔い。日曜の13:30に16人待ち。脇のどぶの臭い、通りの排ガス、前に並ぶデブの汗の臭い、後ろの爺の口臭に悩まされながらも45分ほど待つ。感覚が相当に麻痺したようにも思えるが、とにかく中華そば600円を食べた。
全体に春木屋に似ている。スープは春木屋よりも鶏ガラが少なく節が強い。ただし最近多い節系とは異なり臭みはなく透明な香り。胡椒を妙に効かせているのが気になるが、それ以外は王道の立派な味。麺も春木屋に似ているものの、より堅くしまって真直ぐ振れのない印象。メンマも甘みのないかっちりとした仕上げ。小さめの煮豚のみが柔らかく豚の甘みを十二分に引き出した快楽的な味。もしもチャーシュー麺を頼んでいたら丼の印象は違うものになったかも知れない。
全体に緩みのない硬派な正統的中華そばである。難を言えば華やかさが足りない気がする。つけ麺も評判で麺を変えていると聞く。次回は行列を回避してぜひ味わってみたい。