SHIBASAKITEI+

梅ヶ丘のラーメン店。つつじヶ丘の有名店、柴崎亭の姉妹店。中華そば900円を食べた。

麺は小さめの寸胴で泳がせている。麺挙げが特徴的。湯の中で箸で整えて、一人分ずつ一気に箸で掬い、下に浅い笊を添えてそのまま丼へ移している。湯切りの衝撃は麺を傷めるのでよろしくないという話があるが、ここまで徹底していることに驚いた。

スープには澄んだ脂が浮き、濃い醤油色が美しい。節の酸味が爽やかで出汁は懐が深く充実している。底に向かって細くなる意識高い系の丼で、スープの量は最小限。濃いのでこの量で良いのだろう。

麺はきちんと整列して丼に横たわっているので、箸で挙げても全く絡まらず食べやすい。中華麺というより稲庭うどんのようにストレートで舌触りがよく、しっとり柔らかい。

具は、薄味で柔らかく歯応えの良いメンマ。繊細な白髪ネギがふわりと乗る。立派な煮豚は熟成されたハムのような甘さ。しっとり柔らかく上質な食感だ。量も十二分。

総じて完成度の高さは印象に残るが、自分の欲するラーメンとは違う方向への情熱なので、残念というか虚しいというか、申し訳ない気持ちになってしまう。