渡なべ

早稲田のラーメン店。味玉ラーメンを食べた。900円。

魚介豚骨の有名店で、他店のプロデュースも行うという。池袋の瞠はそのひとつのようだ。

スープは節の味、香りが強く、豚骨は渾然一体として感じられない。節の透明感というものは取り上げられていない。どろどろと濃厚な今風のスープ。もっともこの風潮を作ったのがこの店なのかも知れない。

麺は個性的。中細ストレートで、九州ラーメンの麺を太くしたようなイメージ。歯切れの良さともっちり感が絶妙にバランスし、高粘度のスープとの相性が最良になるよう計算されている。

具はまずは目立つメンマ。フリスクの箱ほどもある巨大なものが3〜4個。色はスープと同じ。味も同じで、メンマ本来の味はあまり感じられない。繊維に沿って削ぐように食べると今までなかった愉しさがある。煮豚は入念に手が入れられ、柔らかく豚の甘さが引き出されている。ネギは二種入っていて清新。味玉は中がゼリー状で味が良く染みているものの、冷たいので食味は乱れる。

全体にひとつの世界観を強く打ち出しているのは間違いないが、この種のラーメンの宿命としてキレが乏しく、自分は眠くなってしまった。