千石のラーメン店。背脂が浮く東京豚骨で、近辺に支店が幾つかある。「らーめん」を食べた。
スープは臭みがなく甘い。豪快さや野趣よりも上品さを求めているようだ。一方、麺は太縮れで予想外に猛々しい。ツルツルして、もっちりではなく、キッパリとした食感がスープに合っている。
煮豚は稀に見る薄さで1枚。脂の甘味が引き出されているが、それはスープで十分なので、形だけの存在でいいのだろう。肉が十分に乗るメニューは他に用意されている。メンマは柔らか過ぎて食感の楽しみはない。こちらも、もやしがあるので役目はないのかも知れない。ただ、もやしが臭いのは残念。カウンター上の刻みニンニクを入れると、にわかに丼が生き生きとしてくる。
POPの調子や店の雰囲気は資本系的で、先入観からラーメンの印象も曇りがちだが、味だけを考えれば、万人に愛されるマイルドで堅実なラーメンといえると思う。
